心を与えること

最近被災地に行ってふと気づいたことがあります。自分が、被災地の人を助けるためにどれだけ「モノ」を支援出来るかどうかにばかり気を取られて、被災した人とのつながりを築くことを2の次にしていたなと。つながりが持てればいいが、まず大切なのは自分の活動を充実させることだと、いい仕事をしようと必死になるあまり、ボランティアの本来の意味を忘れかけていたような気がします。

実は、こう思うようになったのには、あるきっかけがあります。岩手県宮古市、そして、陸前高田市に行ったときと2回とも、とっても素敵な年老いたおばあちゃんに出会いました。2人とも地震と津波で多くを失なわれたものの、生きていられるだけでも幸せと、喜びに溢れた笑顔を絶やさないでおられました。私たちの作ったカレーライスに何度も何度も感謝してくださり、また、持っていった支援物資を大切そうに受け取ってくださいました。「遠くから来てくれて本当にありがとうね!会えただけでもうれしいよ。これからもずっと友達でいてね。」何度もこう声をかけてくださったのです。

そのおばあちゃんは2人とも、手作りの小物を私たちにプレゼントしてくださいました。とっても嬉しかったです。宮古市のおばあちゃんは鈴の付いた小さな飾り物を、陸前高田のおばあちゃんは小さな猫の着ぐるみを、お土産にと私たちに持たせてくださいました。2人との出会いを忘れないように・・・。それらを作るのには時間がかかったことでしょう。その2人のおばあちゃんからいただいた「おみやげ」は、わたしと被災地を結ぶこころの絆の印となりました。

「モノ」は心がこもって初めて真の価値が生まれる。その「モノ」に自分の愛の息を吹き込んで与えて初めて永続する喜びが得られる。今月末に陸前高田に赴きますが、その時の教訓にしようと思います。


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